No.008 鉛筆の濃さ

6B5B4B3B2BBHBFH2H3H4H5H6H7H8H9H

全部で17種類。(JIS規格より)
Bは、BLACK(黒)の頭文字です。
Hは、HARD(硬い)の頭文字です。
Fは、FIRM(しっかりとした)の頭文字です。

上の表の場合、上に行くほど芯は濃く、やわらかくなります。
下に行くほど芯は薄く、硬くなります。

硬く薄い芯の鉛筆は製図などに用いられます。
やわらかく濃い芯の鉛筆はデッサン向け。

そもそも鉛筆は、1560年頃、イギリスのボロウデール鉱山で黒鉛が発見されたことから始まりました。
そのころは、黒鉛に糸をまきつけたりして、使っていたそうです。
今の鉛筆の形は18世紀に入ってから考案されました。
1795
年、ニコラス・ジャック・コンテさんが、黒鉛と粘土を混ぜて、濃さや硬さが違う14種類の芯をつくりました(6B〜6H)。
日本に入ってきたのは、明治維新後。今の三菱鉛筆の基礎を築いた眞崎仁六さんが大量生産を実現しました。

ちなみに今の鉛筆の形を築いた化学者のニコラス・ジャック・コンテさんは、コンテ(クレヨンの一種)を作った人です。

シャーペンの芯は鉛筆の芯(黒鉛+粘土)とはちがい、黒鉛とプラスチックでできています。

あと、鉛筆に六角形が多いのはなぜかというと、
親指、人差し指、中指の3点で支えるため、3の倍数がよいのです。
だから、三角形の鉛筆もたまに見ます。
色鉛筆はさまざまな角度にかたむけたりして色を塗るので、
指あたりをよくするために丸軸になっています。

また、製造上の観点からすると、
正六角形は平面充填図形のうち最も円に近いから材料のロスが少ないために採用されています。
このほか、正三角形や正方形も平面充填図形ですが、
指があたる角の部分を丸めるのに、角数が多いほどロスが少ないので、正六角形が利用されてます。
また、強度も三角形に比べて六角形の方がすぐれているため、
同じ材料から最も多く作れるというコスト面のメリットがあるようです。

一本の鉛筆では、約50km書けます。(ただし、書く力は一定。これは機械による結果。)

ほかにもいろいろ詳しい情報は三菱鉛筆博物館に載ってます。

また、HBとBの間にはHBBというHBより少し濃い芯があります。
JIS規格ではありませんが、7B、8B、9Bも存在します。

since 2003/6/7
2004/8/28 7B,8B,9Bについて記述
2005/1/3 ningle氏の指摘により訂正。
1795年1975
2005/1/7 中野県氏の情報により、製造上の観点について記述

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