No.033 算用記号の由来
日頃、目にする「+」「−」などの算用記号。
一体、何の形なのか?いつできたのか?を調べてみました。
「+」(足し算の記号、たす)「−」(引き算の記号、ひく)
船乗りが樽に入れておいた水を使ったときに、
なくなったところまでの水面のラインに、印として樽に横線を引いておきました。
なくなったら、横線。これが「−」の由来です。
また、この樽に水を補充して増やしました。
そうしたら、さっきの横線と同じところまで水が入りました。
ここにまた、横線を引いてもダブってわからなくなっちゃうので、縦線を引きました。
横線に縦線をひくと...「+」になりました。
また、もう一つ説があります。こちらのほうが有名かもしれません。
商人が品物の重さの違いを表すために横に長い棒状の木を使ってました。
これがそのまま「−」になったという説です。
また、「minus(マイナス)」の頭文字の「m」を速く書いてたら「−」になった。
ラテン語の「〜と」という意味を表す「et」を筆記体で速く書いてたら「+」になった。
このような、速記説もあります。
どれにせよ、一番初めに使われたのは、1489年、ドイツのウイッドマンです。
「×」(掛け算の記号、かける)
イギリスのオートレッドが、キリスト教の十字架を斜めにして掛け算の「×」にしたという説。
この方は、1631年に「数学の鍵」という本で、この記号を使い出しました。
「÷」(割り算の記号、わる)
15世紀初め、ロンドンの金融街で、半分という意味の記号として使われだしました。(「8÷」っていうのは「4」のこと。)
割り算の記号として使ったのは、ラーンが1659年に出版した代数についての本で使われたのが最初です。
分数の、分母と分子の数を「・」で表したのが「÷」の由来だと言われています。
「=」(等号、は)
1557年、レコードが出版した本で使われたのが初め。
「長さの等しい平行線ほど等しいものはないから」というレコードの勝手な理由でこの記号が出来ました。
「<」(不等号、しょうなり)「>」(不等号、だいなり)
「≦」(不等号、しょうなりイコール)「≧」(不等号、だいなりイコール)
記号の形の由来は、見てわかるので省略。
1631年、ハリオットが出版した本で使われ始めた。
ちなみに「≦」と「≧」はフランスのボーガが使い始めた。
「√」(根号、ルート)
1525年、ルドルフが「代数」という本で使ったのが初め。
rootの頭文字の「r」から、この記号の形ができた。
ちなみにrootは根という意味。
「π」(円周率、パイ)
16世紀後半、17世紀初め頃、ウイリアム・ジョーンズが「周囲」の意味でこの記号を使い、
のちに、ゴールド・バッハやオイラーが円周率の意味で使い始めた。
ギリシャ文字の「まわり」という意味がある「π」が由来。
その他の由来はこちらでどうぞ。
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