No.043 地球の自転が止まってしまったら

かの有名なガリレオ・ガリレイは言いました。「それでも地球は回る」。

そうです。地球は回っています。
これは常識的なことです。

物体が回転運動することによって、遠心力が生まれます。

では、地球に住んでる人々は遠心力で宇宙に飛ばされないのはなぜか?
それは地球に引力があるからです。

引力、すなわち万有引力
アイザック・ニュートンがリンゴの木からリンゴが落ちるのを見て発見したというのは有名な話。
「万有」というように、この世の全てのものが持っている力です。

では、そこに置いてある消しゴムも万有引力を持ってるのか?
持ってますが、その力は限りなく小さなものでぜんぜん引き寄せられません。

万有引力はF=GmM/r2」という式で表されます。
この公式は万有引力の法則と呼ばれ、結構知られている公式です。

Fは引力、mとMは物体の質量、rは二物体の間の距離です。

では、Gは何か?
これは「万有引力定数」というものです。
G=6.672×10-11m3/kg・s2と決められています。
この公式から解るように、二物体の質量が大きくて、距離が短いほど引力が大きいのです。

では、本題にいきましょう。
実は地球の自転が遅くなってきています!!!!!
自転が遅くなると、昼と夜が変わるまでにかなり時間がかかってしまいます。
困ります....

しかし大丈夫。遅くなっているといっても50年に0.001秒ずつなので、たいしたことはありません。
なので、気にする必要は全くありません。

けど、なんで遅くなってきているのか?
それは月のせいです。

月はとても大きいので、さっき話したように万有引力の力が大きいです。
その月の引力によって、海水の満ち引きがあるのは有名です。

では、地球はどれくらいの引力で月に引かれているか?
海を引っ張って、満ち引きを起こすほどなのでよっぽどすごいはずです。

さきほどの万有引力の法則で、
地球の質量:5.97×1024kgをmに代入。
月の質量:7.37×1022kgをMに代入。
距離:38万kmをrに代入。
そうすると、F=203296856509695290858.725761772853が導かれます。
つまり、約2×1010のすさまじい引力だということです。

これだけの力がいつも地球にかかってるので、だんだん自転が遅くなってきているという訳です。

今のところ、地球の自転が止まるなんてありえませんが、
もし、いきなり止まってしまったらどうなるのだろうか?

今、地球の赤道半径は6378140mです。(ちなみに極半径は6356775mです。)
このデータより、地球一周(赤道)の長さが算出できます。
6378140×2×3.14≒40000km

地球一周が40000kmだとわかりました。
地球は24時間で一周するので、40000÷24≒時速1667km。

滋賀県大津市の大津駅をちょうど北緯35度線が通っています。
大津駅地点での自転速度は、時速1667m×cos35≒時速1365.5km
つまり、秒速379.3mです。

気づいている人もいると思いますが、自転速度は音速より速いんです。
音速は、秒速約340m

さて、大津駅地点では音速以上の速さで地球が回ってるわけですが、
地球上のものも全て、同じ速度で動いてるので、音速を感じないのです。
人も町も空気も全てが同じ速度で動いているのです。

そんな中、地球の自転が止まってしまったらどうなってしまうのだろうか?
慣性の法則により、地球上のものが音速以上で東にぶっとびます。

人は、地球の自転が止まった瞬間、地球が回転している東方向へぶっとんでいきます。
もちろん、建造物などに激突したら、音速以上の速度なので、即死です。

風も東方向へ音速以上で吹きます、大型台風なんて比べ物にならないほどの威力です。
山も町も崩壊します。

海も東方向へ大津波。大陸を飲み込んでいきます。

しかし、こんな中、生きのびる人がいます。
それは、南極、北極の人です。

南極・北極は地球の軸なので、自転速度は0に近いです。
なので、ふっとぶ心配もありません。

もし、地球の自転が止まったら、大惨事になる。これが結論です。

最後にもう一度言っておきますが、地球の自転停止の心配はありません。大丈夫です。

since 2004/1/6

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