No.045 お札に秘められた日本銀行を探せ!

珍しく、この見聞録を書くのにはお金をかけました。
総額16000円です(^^;

さて、小学校のとき、クイズの本でこんな問題がありました。
全部のお札に載っている鳥は何?

千円札は、一万円札は(きじ)。
載っている鳥は違う。まして、五千円札は富士山だ。

さぁ、みなさんもお手元に三種類のお札を用意していただきたい。
一万円札と五千円札と千円札を。

さぁ、全てに隠れている鳥はなんだろうか??
考えていただきたい。

では、ヒントです。その鳥は一万円札には35羽も載っています。
「多っ!!」と思った方もいるでしょう。
答えは後ほどということで。

そういえば、お札には偽造防止の技術が駆使されています。
ここではその一例を紹介しようかと。

まずは、偽造防止の代表的な例の「すかし」です。
幼稚園児でも知ってる人がいるほど有名な偽造防止技術ですね。
わざわざ説明するまでもないと思います。

ところで、お札の裏表には変な印章がありますよね。
あなたは読めますか??両方とも篆書体で書かれています。
表の印章は日本銀行総裁の印章で、「総裁之印」とかかれています。
裏は発券局長の印章で、「発券局長」とかかれています。
え??今は偽造防止技術の話をしているんじゃないかって??
もちろん、この印章も立派な偽造防止技術です。
表の「総裁之印」に秘密があります。これを紫外線に当てると光るんです!
特殊発光インキが使われいるからです。
ご自宅に「ブラックライト」がある方はその光を当ててみたら光りだしますよ。

あとは、マイクロ文字です。
マイクロってことは極小ってことです。
さぁ、見てください。「NIPPON GINKO」という文字がお札には何個かかれているか。
一見、全てのお札において、裏面の上部の一つしかないと思われますが、実はもっとあります。
超小さい文字で書かれているので、目を凝らしてください。

一万円札:表…上部の両側にある「10000」の下の線に各4個で、8個。
          裏…上部に大きく「NIPPON GINKO」
              一万円札の一番下の波線に26個。
                                          計:35個 

  千円札:表…夏目漱石の右下にある曲線に5個。
          裏…上部に大きく「NIPPON GINKO」
              上部の大きな「NIPPON GINKO」の二つの「N」の影をよく見たら各1個で、2個。
              左下の「1000 YEN」の「N」の影にも1個。
                                          計:10個

五千円札:表…上部の右側の「5000」の下の線に4個。
          裏…上部に大きく「NIPPON GINKO」
              上部の大きな「NIPPON GINKO」の二つの「N」の影をよく見たら各1個で、2個。
              左下の「5000 YEN」の「N」の影にも1個。
                                          計:8個

まるで宝さがしですね。
さて、これだけ「NIPPON GINKO」といったらお気づきの方もいるのではないでしょうか?
全てのお札にいる鳥は「インコ」です。
ほら、「NIPPON GINKO」の「GINKO」に注目。「G」を隠してみてください。
「INKO」になったでしょ♪
ちょうど、千円札を半分に折ったら、「G」が隠れて、「INKO」が出現します。

そういえば、お札は目の見えない方にも十分親切だ。
なぜなら、点字があるからです。
お札の下の端に注目。ドーナツ型の模様がありますよね。
触ってみると、微妙に凹んでますよね。
千円札は丸が一つなので、点字の「ア」です。
五千円札は丸が縦に二つなので、点字の「イ」。
一万円札は丸が横に二つなので、点字の「ウ」。
二千円札は丸が縦に三つなので、点字の「ニ」。←残念ながら「エ」じゃありません。

さきほど話した、マイクロ文字ですが、
縦0.25mmしかありません。普通のコピー機・印刷機じゃ再現できないほどです。

次は肖像に注目してみましょう。
一万円札…福沢諭吉
五千円札…新渡戸稲造
  千円札…夏目漱石

実はこの肖像も偽造防止技術が使われています。
肉眼では確認しがたいですが、肖像の目には超細密画線が使われています。
福沢諭吉の目には1mmに11本の線が使われています。

しかも、肖像は凹版印刷という技術で、普通より盛り上げて印刷されています。
「壱万円」「五千円」「千円」の文字もその技術が使われています。

ここまで来て、「あれ?僕のお札にはマイクロ文字がない!」と思った方もいるのでは?
残念ながら、それは「レア札」でもなんでもありません。
それは平成5年12月1日より前に発行されたお札です。
今のお札は全て昭和59年11月1日に発行されました。そのときの記番号は黒色です。
その後、偽造防止のため、平成5年12月1日に改良。そこからは記番号が褐色に。
千円札は、平成2年11月1日に記番号が一周したので、記番号が青くなっています。
平成12年4月3日に千円札はまた一周してしまったので、記番号が暗緑色になっています。

ちなみに記番号には、数字の「1」「0」とまぎわらしい、アルファベットの「I」「O」は使われません。

管理人は、あいにく二千円札を持っていなかったので、マイクロ文字が何個か数えれませんでした。
というわけで、二千円札のマイクロ文字の情報提供待っています。

二千円札は、偽造防止技術がすごいです。
千円札などの技術に、傾けたら文字の色が変わったり(光学的変化インキ)、文字が浮かび上がったり(潜像模様)、
ピンクの線が左右に浮かび上がったり(パールインキ)、凹版印刷も深凹版印刷へとグレードアップしてます。
二千円札は肖像がなく、表は守礼門(首里城第二坊門)。
裏は源氏物語絵巻の第38帖「鈴虫」と、紫式部日記絵巻のシーンが載ってます。
「鈴虫」に登場する人物として二千円札に載っているのが、冷泉院光源氏です。
紫式部日記絵巻の登場人物としては、もちろん紫式部です。

お札の正式名称は、「日本銀行券」です。ちゃんと、お札に書いてありますよ。
正しくは「壱万円券」「五千円券」「千円券」です。

お札は大きさがそれぞれ違いますが、高さは全て76mmです。
横幅は次のようになっております。
一万円札…160mm
五千円札…155mm
二千円札…154mm
  千円札…150mm

五千円札には、見事な逆さ富士が描かれています。
あれを撮影したのは岡田紅陽さんです。
富士五湖の一つの本栖湖で撮られています。

お札は偽造防止をがんばっているようですね。
では、偽造したらどうなるのか。
法律学には初心者のフレッシュワーズがお答えします(^^;

刑法第148条「通貨偽造及び行使等
@行使の目的で、通用する貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、
  又は変造した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
A偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、
  若しくは輸入した者も、前項と同様とする。

▲初めから使う目的で通貨を偽造したときは、無期又は三年以上の懲役です。

刑法第152条「収得後知情行使等
貸幣、紙幣又は銀行券を収得した後に、それが偽造又は変造のものであることを知って、
これを行使し、又は行使の目的で人に交付した者は、その額面価格の三倍以下の罰金又は科料に処する。
ただし、二千円以下にすることはできない。

▲自動販売機のおつりを、よく見ると偽造されたものとわかりました。
  偽造されたものだと知っていて、それを使っちゃった場合はその額面価格の三倍以下の罰金又は科料

しかし、お札サイズの紙に、鉛筆で「一万円」ってかいたものを、店で使ったら、警察に訴えもしないだろう。
一体、どこまでが偽造なのだろうか....

お札も奥が深いですね。
え?この見聞録のどこに16000円使ったっかって??
もちろん、「一万円札」と「五千円札」と「千円札」ですよ(笑)

2004/3/22
500円玉にもマイクロ文字が隠れていることが判明しました。
肉眼では判別が難しいですが、がんばれば見えます。
顕微鏡で確認したら、くっきりと見えました。
1文字が0.18mmという小さなサイズなのですごいです。
参考:新500円玉のマイクロ文字見っけ(TOP:Kawasaki Naoyukiさま)

since 2004/1/31
2004/2/2 「鈴虫」に登場る人物として
2004/3/22 500円玉のマイクロ文字について記述

【雑学見聞録へ戻る】
【TOPへ戻る】

inserted by FC2 system