No.059 東京沈没

この建物、何かわかりますか?
そうです。東京都庁です。

日本の首都、東京都。
1868年9月(慶応4年7月)、江戸幕府の所在地だった江戸を東京と改称し、京都から遷都しました。
日本の政治・経済・文化の中枢都市です。

面積は2186km2。人口1200万人です。

人口が密集している東京都。
この地には高層ビルがたくさん建っております。
ビルによって、山は見えなくなり、空が狭くなってきています。

地上はビルで埋め尽くされると、人々は地下へ進出しました。
今日は東京の地下について書こうと思います。

東京の地下には水脈が多いのは有名な話です。

戦後の高度経済成長に伴い、工業用水などのために大量に地下水がくみ上げられました。
それによって地下水がなくなると、地下に空洞ができ、地盤沈下が頻繁に起こるようになりました。

東京の地盤沈下は、そのころ社会問題となっていました。
1970年に条例で地下水くみ上げが規制されました。これによって地下水は回復していきました。

そして、現在...

地下水が多くなりすぎて大変なことになっております。

東京駅丸の内口が建設された時の地下水位は地下35mでした。
最深部の総武線ホームは地下27mにあり、地下水より8m上にあるように造られました。

しかし、現在の東京駅はこうです。

なんか水没しちゃってますよ(´Д`)
現在の地下水位は地下15m。建物12mも水没しております。

1991年、長雨で地下水が上昇したとき、武蔵野線新小平駅の床が1m浮き上がって水浸しになり、
二ヶ月間、電車が止まるという事故が起きています。

東京駅も、このまま放っておいたら浮く可能性があります。
浮いてしまうと、建物が倒壊する可能性もあります。

なので、1999年、東京駅は浮き上がり防止のために200kgのアンカー(錨)を130本埋めました。
これで現在はなんとか大丈夫です。

上野駅も同じような状況になっております。

上野駅では、床に3万3000tの鉄板を敷き詰めています。
これによって、駅の浮上を防止しています。

東京駅の総武線・横須賀線が発着する地下五階のホーム、上野駅の地下4階の新幹線ホームに行ったときは、
是非、水没していることを思い出してください。

東京の未来が心配です。

since 2004/5/24
2004/5/26 urbanさんの指摘により、「武蔵野小平駅」を訂正。

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