No.062 航空管制塔で飛び交う隠語
英語の発音は非常にややこしいものがあります。
「B」「C」「D」「E」や、「L」「M」「N」などです。
航空無線ではさまざまな英語が飛び交ってっているのは有名です。
「Japan AIR BLAVO 747 400 DELTA」
これは日本航空B747-400Dを表わしています。
「BLAVO」や「DELTA」のようなものをフォネティックコードといいます。
発音による聞き間違えを防ぐため、アルファベット全てに割り振られています。
A | ALPHA(アルファ) | N | NOVEMBER(ノベンバー) |
B | BRAVO(ブラボー) | O | OSCAR(オスカー) |
C | CHARLIE(チャーリー) | P | PAPA(パパ) |
D | DELTA(デルタ) | Q | QUEBEC(ケベック) |
E | ECHO(エコー) | R | ROMEO(ロメオ) |
F | FOXTROT(フォックストロット) | S | SIERRA(シエラ) |
G | GOLF(ゴルフ) | T | TANGO(タンゴ) |
H | HOTEL(ホテル) | U | UNIFORM(ユニフォーム) |
I | INDIA(インディア) | V | VICTOR(ビクター) |
J | JULIET(ジュリエット) | W | WHISKY(ウィスキー) |
K | KILO(キロ) | X | X-RAY(エクスレイ) |
L | LIMA(リマ) | Y | YANKEE(ヤンキー) |
M | MIKE(マイク) | Z | ZULU(ズール) |
ちなみに「A」を「AMERICA」というような慣用的表現も使われているようですが、
上の表は運用規則に基づいている正式なものです。(カタカナ発音は正しいとは限りません)
さて、私たちがこのような隠語を知ると、どんな時に役立つか?
航空管制をする人は少ないので、あまり役に立たないかもしれません。
航空無線を拾って、聞くときに、フォネティックコードを覚えてると、飛行機の種類とかがわかりますけど、
航空無線を拾う方々も少数です。
では、無理矢理、身近に役立ててみましょう。
・「D」を「ダー」と言わなくてよくなる。
「B」と「D」の発音の区別はむずかしいもので、
わざわざ「D」を「ダー」や「デー」などと言う人がいます。
それはなにかとダサいので、張り切って「DELTA」といってみましょう。
・英語のスペルをかっこよく言える。
「アリを英語で?」
「A・N・Tです。」
これでは普通すぎて、飽きてしまいます。
「ALPHA・NOVEMBER・TANGOです。」なんて言ってみましょう。
・・・(´Д`) あんまり役にたたないっぽいです(苦笑)
せっかくなので、フォネティックコード(日本語版)を紹介しておきます。
あ | 朝日のあ | い | いろはのい | う | 上野のう |
え | 英語のえ | お | 大阪のお | か | 為替のか |
き | 切手のき | く | クラブのク | け | 景色のけ |
こ | 子供のこ | さ | 桜のさ | し | 新聞のし |
す | すずめのす | せ | 世界のせ | そ | そろばんのそ |
た | タバコのた | ち | ちどりのち | つ | つるかめのつ |
て | 手紙のて | と | 東京のと | な | 名古屋のな |
に | 日本のに | ぬ | 沼津のぬ | ね | 鼠のね |
の | 野原のの | は | はがきのは | ひ | 飛行機のひ |
ふ | 富士山のふ | へ | 平和のへ | ほ | 保険のほ |
ま | マッチのま | み | 三笠のみ | む | 無線のむ |
め | 明治のめ | も | もみじのも | や | 大和のや |
ゆ | 弓矢のゆ | よ | 吉野のよ | ら | ラジオのら |
り | りんごのり | る | るすいのる | れ | れんげのれ |
ろ | ローマのろ | わ | わらびのわ | ゐ | ゐどのゐ |
ゑ | かぎのあるゑ | を | 尾張のを | ん | おしまいのん |
゛ | 濁点 | ゜ | 半濁点 |
「ドはドーナツのド、レはレモンのレ」みたいな感じで使っちゃってください。
これまた使い道があまりないようで・・・・。
せっかくなので、フリーク氏が提供してくださった飛行機雑学を紹介します。
沖縄の嘉手納にある嘉手納基地はスペースシャトルの緊急着陸滑走路とされている。
スペースシャトルの滑走路なんて存在するんですね。
世界で始めて音速の壁を超えたベルX−1を操縦したチャック・イェーガー大尉は、
飛行機(X−1)に乗る前日、酒を飲みすぎて落馬し骨折をしていた。
大尉が音速を超したときの一言「マッハ計がおかしい」
イェーガー大尉は現実を素直に受け取れないようです。
最高速度マッハ3という最速の偵察機ロッキードSR−71(引退しました)の燃料は、
火のついたマッチを投げたぐらいでは着火しない。(その燃料の名はJP-7という)
なかなか強い燃料ですな。
旅客機ボーイング747は35cmのプラモデルサイズに縮小したら、重さはなんと21グラムしかない。
すごく軽いので、そのプラモは風が吹くと、どこかに吹っ飛んでしまいまうかもしれません。
高速で身軽に旋回できる戦闘機F−15イーグルは9Gまで耐えられるが、
音速の壁を超えたベルX-1はなんと18Gまで耐えられるようにできていた。(G=荷重の単位)
さすが音速の壁。18Gを耐えれるなんて、X-1は強いですね。骨折してるイェーガー大尉が操縦したのに。
冷戦時代アメリカでは、原子力を使ったエンジンを搭載した飛行機を開発していたことがある。
その用途はとても恐ろしく、敵国の上空をその飛行機で飛んで、放射能を降らせるというものだった。
(打ち落とせば放射性廃棄物が上空に散るというタチの悪い飛行機)
アメリカは原爆の反省をしてないんでしょうか。実際には使われなかったのでよかったけど。
プロペラ単発機はプロペラ機独自の効果(Pファクター、後流効果、トルクの反作用)が働くので、
ある意味旅客機を操縦するより難しい。
旅客機より高度なレベルが必要なんですね。
初めてロケットエンジンを採用した戦闘機メッサーシュミット
Me163コメートは、
エンジンを連続使用すると7分30秒しか持たない。
7分30秒でエンジン切れ。戦闘機としての意味が無いような気も・・・。
また、ningle氏の情報によると、
フォネティック・コード和文に関しては、
昔、電信線の入っていない田舎の郵便局に電報を伝える時に使われてました。
欧文に関しては今でもアマチュア無線でも使われています。
SIERRA・INDIA・NOVEMBER・CHARLIE・ECHO 2004/6/19
(SINCE 2004/6/19)
2005/1/5 ningle氏提供の情報追加