No.024 究極の泥団子を作ろう Part2

一抹の不安を残しつつも、土台ができたので、
次は、乾いた土をかけ、親指で優しくなぞりながら、球体を作ります。
ここで、いかに表面の凹凸を無くせるかがポイントです。



だんだん綺麗な形になっていきますが、ひび割れは消えませんw
懸命な作業が続きます。


だが、ここでhanhanBTに異変が!

「さ、寒い・・・」

確かに寒い。

実は、2月18日は、最高気温11度、最低気温0度でして、
昼間までは暖かく、絶好の泥団子日和だったのですが、
土探しに時間を割き過ぎたため、既に15時を回っており・・・

いつの間にか気温は5度にまで低下。風は北風になっていました( 'A`)


2月18日15時の天気図。高気圧さん、さようなら〜。

冷え性なhanhanBTは、体を震わせながら、
ちょっとカイロ買ってくる」と言い残して、山を下りてしまいましたw



(・・・一人で黙々と泥団子を丸くするFW・・・)



しばらくして、hanhanBTが温かい飲み物を買って帰ってきました。
近くにコンビニが無かったため、カイロは断念したみたいです。

さて、作業続行!



寒い寒い。


寒さに震えること、1時間。
ようやく良い感じになってきました。うむ、上出来!


ちなみに「ひび割れ」は未だ御健在です・・・。


次は・・・え〜と、皮膜作りです。
さら粉と呼ばれる粉土をふりかけて、念入りにこすります。



ベンチの下に良質の「さら粉」があったので、
公園の真ん中で作業をすることに。

途中、ジョギングの休憩中のおじいさんに、
何を作ってるんや?」と不思議そうに声をかけられました。

光る泥団子を作っているということを丁寧に説明したところ、
ほぉー、立派な研究をしてるなぁ!将来は博士やな!
と言われましたw

泥団子を作って博士になれるほど現在の大学制度は甘くありませんw

その後もしばらくおじいさんとトークで盛り上がり、
気付いたら30分ほど時間が経っていました・・・。



そして、こんな感じになりました。



ん?ちょっと微妙だぞ・・・。
いや、ひび割れは仕方ないとしても、表面が思っていたほどツルツルじゃない。


実は、私たちは大きなミスを犯していたのです!


・・・話は、皮膜作りの1時間前に遡ります。

まだ水気の多い泥団子を握っていたとき、
FWの携帯電話に電話が掛かってきたのです!


しかし、不幸にも、
手がドロドロで、携帯電話に出られない(´・ω・`)


出られる状況じゃないので、電話を無視していたのですが、
しつこくバイブが鳴っており、結局、1分ぐらいして、やっと電話が切れました。

いや、電話が切れたのはなく、正確には、携帯電話の電池が切れました

このせいで、携帯電話に保存していた
光る泥団子の作り方」というメモも見られなくなってしまいました。


おかげで、わずかな記憶を頼りに泥団子を作ることになり、
「皮膜作り」の前に行うべきだった「仮皮膜作り」という段階を抜かしてしまったのです!


もちろん、私たちは「仮皮膜作り」の存在を完全に忘れており、
「まぁ、最後の段階でピカピカになるだろう」という楽観的な希望を抱きながら、
次の「お休み」の段階に移ってしまいました。



ビニール袋の中で1時間休ませることで、団子内の水分がにじみ出てきます。
すると、表面が濡れた状態になり、粒子間の結合が少し弱まります。
この状態のときに、表面を布で磨くと、粒子が均一になり、見事に光る、というわけです!


ちょうどビニール袋に入れ終わった頃、小雨が降ってきました。
ただでさえ寒いのに、なおさら寒くなるという酷い仕打ち。

このまま公園で風に晒されていたら、凍えてしまうので、
1時間の休憩時間の間に、どこか他の場所に移動することに。

・・・しかし、意外に良い場所が見つからず、泥団子片手に1時間ぶっ続けで歩く羽目に



結局、御陵(みささぎ)までやってきてしまいましたw
ほんと今日は無駄に歩いてばっかりだなあ・・・。




陵ヶ岡みどりの径(旧京津線跡)で団子作りを再開。
いい感じに表面が濡れていたのですが、


磨いても磨いても光りません\(^o^)/


FW作

hanhanBT作


はい、失敗です( 'A`)



まだだ!まだ終わらんよ!!
失敗を次に活かすため、ちゃんと考察します。
今回の失敗要因は3つ!!


@粘土が多い土を選んでしまったこと



水気が抜けにくいため、「ひび割れ」が酷いのなんの。
しかも、柔らかいから、綺麗な球を作る妨げにもなりました。

考察のために、泥団子を惜しげなく粉砕したのですが、
ヌチョッと潰れるだけ。粘土質なので、内部が全然乾燥してないですね・・・。


半日かけて作った泥団子は、土に還りました。



A山科で泥団子を作ったこと

土地勘の無い山科で泥団子作りに挑んだため、無駄に歩く羽目になりました。
総計3時間以上、距離にして8kmは歩きました。足が痛いです。

後で調べて分かったのですが、
今回の場所は地質的にも泥団子に不適な場所だったみたいです。


(地質調査所発行地質図「京都及大阪」より引用)

私たちがひたすら土探しのために歩いた山科盆地北縁は、
一帯が「丹波層群」と呼ばれる古生代の地層から成っており、
チャートや頁岩が基礎岩盤となっているようです。

現代〜数万年前の間にそれらの岩盤が風化し、
山の斜面を流れて、崖錐堆積物として山麓に堆積し、
その堆積物により現在の表土が形成されているため、
山麓沿いに歩いても、粘土が多めの土ばかりだったようです・・・。

どうやら、自然土に頼るよりも、
学校や花壇にあるような人工土で作った方が良さそうですね。



B作り方を間違えたこと

表面が光らなかった直接的な要因は、恐らくこれでしょう。
「仮皮膜作り」を行わなかったため、表面がぶつぶつになってしまいました(´・ω・`)
たった1つ工程を間違えるだけで光らなくなるとは・・・なかなかシビアだなあ。




う〜む....

・・・正直、泥団子を甘く見ておりました。

光る泥団子は、土の性質を考えたり、表面と内部の乾燥速度を考えたり、
予想以上に深いです。これはもはや大人の遊び・・・いや、芸術ですね。



こうして、リベンジを果たせなかった2人の男たちは、
悔しさを胸に、「次こそは泥団子を光らせてやる!」と固く誓い、
夕日を背にして、それぞれの帰路についたのであった。


つづく。

Part3に乞うご期待!

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since 2010/3/4

本実験レポートで使用した白地図は「Aries」さまに著作権が帰属します。
又、航空写真はGoogle社、天気図はYahoo!社の画像を引用させていただきました。

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