No.039 重傷と重体の違いは?
●wachiさんの疑問
宮城での地震のニュースを見ていると「軽傷は○人、重傷は○人です」と言っていたのですが、
よく、事故などのニュースで「意識不明の重体」という言葉も耳にします。
一体、「重傷」と「重体」の違いって何なんでしょうか?
そして、軽傷と重傷の境界はどこにあるのでしょうか?
●フレッシュワーズの回答
宮城地震(2003年の7月下旬に震度6が3度も起こったすごい地震)は恐ろしかったですね。
まぁ、それはさておき。事故の被害の度合いを表す区分のしかたですね。
警察署などの官公署では、死亡、重傷、軽傷で区分するのが基本です。
新聞やラジオ、テレビなどの報道は、ほとんどが警察の調書を使っております。
死亡は、事故後24時間以内に逝去した場合のみをいいます。
なので、24時間後の死亡も含める厚生省の統計より数が少なくなります。
つまり、テレビのニュースでやってるのより、もっと被害が大きいってことですな。
重傷は、30日以上の治療を要する傷。
軽傷は30日未満です。
しかし、重傷、軽傷の分け方には、ちょっと難点が…。
顔に大きな傷ができてしまった被害者は、精神的にかなりショックですよね。
それなのに、軽傷といわれたら、嫌な感じです。
なので、警察の記録には、「全治○日」のようにかかれます。
しかし、報道では、死亡、重傷、軽傷のほうがわかりやすいので使われます。
ところで、全治って言うのは、傷が完全に治る「完治」とは違うのです。
全有効治療期間の略で、治療にかかると思われる期間です。
そういえば、重体って表現がありましたね。
これは、脳や内臓に大きな損傷を受け生命の危機に瀕している重傷の人のことです。
しかし、これは報道でのみ使用される、視聴者にわかりやすく伝えるための言葉です。
…こんなに区分したのに、最終的には「死亡者」「負傷者」の2種類に分けられて記録されます。
ちなみに火事などでは、重傷、中傷、軽傷に分けられます。
入院が必要で、3週間以上の入院が必要なのを、重傷。
入院が必要で、3週間未満の入院が必要なのを、中傷。
入院はいらないのを、軽傷です。
一番初めに紹介したのも、実は交通事故の被害の区分なのですが、地震の被害にも大体あてはまるでしょう。
since 2003/7/29
2003/9/23 「…こんなに区分したのに、最終的には「死亡者」「負債者負傷者」の2種類に分けられて記録されます。」を訂正