No.056 無理数「e」は何?
●タングステンさんの疑問
無理数にπやi、√2などがありますが、「e」と言うのも聞いたことがあります。
「2.718281828」っぽい数らしいのですが、いったい何なのでしょう?
●注意
「i」は無理数ではありません。
●フレッシュワーズの回答
世の中には、有理数と無理数があります。
有理数は普通の数「1」「2」「3」や、小数、分数、循環小数(0.42424242...のように同じ数の繰り返しとなる小数)。
無理数は循環しない小数で表される数です。
無理数の例としては、π(パイ)。つまり円周率です。3.1415....と永遠に続きます。詳しくはこちら。
他にも、√2や、√3、√5なども無理数です。
有理数、無理数を合わせたものを実数といいます。
iは虚数単位です。i2=-1と定義されている、実際にはありえない数です。
なので、これは無理数ではありません。
ちなみに話しておくと、虚数とは、
「bを実数とする時、実数bとiとの積biと実数aとの和a+biを複素数といい、実数でない複素数は虚数」
と定義されいます。まぁ、この世にはありえない数のことです。
さて、ここからが本題です。
「e」という無理数とは何か?
「e」は「自然対数底」のことです。まずはこの説明の前に「対数」とは何かを説明します。
対数とは、正の数のaとNがあったとき、N=abという関係を満たす実数bの値を、
「aを底(てい)とするNの対数」といい、「b=logaN」で表します。
Nのことを「bの真数」といいます。
eを底とする対数を自然対数といいます。
「logeN」「ln N」 「log N」で表します。
e=2.718284590452353....です。
10を底とする対数は常用対数といい、「log10N」で表します。
Nの常用対数を「log N」で表すこともあります。
この説明で少しでいいから理解していただけたでしょうか。
はじめの対数についての説明で「底」について理解していたら、自然対数がわかると思います。
自然対数の底の「e」ですが、2.718284590452353のあとにも永遠に続きます。
なお、「e」はなんでこんな数なのかは、ちゃんと大学数学で定義されています。
一般人には理解できないですがこちらのページはeの式が書かれています。
対数を使えば、桁数の多い多数の数の乗除を加減法で行うことができるようですが、
イマイチやり方がわかりません(^^;
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