No.059 IQはどうやって測る?
●Loshさんの疑問
頭の賢さを知るのに使われているIQとかいうものがありますよねぇ。
高いほどいいんですよねぇ。あれって、どうやって測ってるんですか?
●フレッシュワーズの回答
IQ=精神年齢(知能年齢)÷年齢×100。
IQとは、知能指数のこと。intelligence quotientの略です。
IQ80〜89ぐらいが平均レベルらしいです。
実際のIQ測定は知能検査というもので厳重に測定されるようです。
●フリークさんの回答
知能検査には2種類ありスタンフォード・ビネー式知能検査とビネー・シモン式知能検査があり、
前者の検査方法が初の知能測定を行った。
IQ測定(知能検査)については試験する際の環境や試験を受ける本人の気分や状態で変わることがある。
またIQのほかにEQ(Emotional Quality:情動指数)という自己の感情のコントロールや
対人関係の処理などの度合い(つまり知性とは別の心の知能指数)を測るものさしがあるとのことです。
●びろさんの回答
まず、フレッシュワーズさんによれば…
>IQ80〜89ぐらいが平均レベルらしいです。
…というくだりがありますが、知能指数というものは、理論上、平均は「100」となるはずです。
逆に言うと、平均が「100」になるように作られています。
そして、フリークさんによれば…
>知能検査には2種類ありスタンフォード・ビネー式知能検査とビネー・シモン式知能検査があり、
…とありますが、通常、知能検査を大別するならば「ビネー・シモン法」と「ウェクスラー・ベルビュー法」の2つとなるはずです。
フリークさんの言うところの「スタンフォード・ビネー式知能検査」は、
スタンフォード大学が開発した「ビネー・シモン法」の改訂版に過ぎません(つまり「ビネー・シモン法」の一種です)。
したがって…
>前者の検査方法(=スタンフォード・ビネー式知能検査)が初の知能測定を行った。
…という説明も間違いです。初の知能測定は「ビネー・シモン法」によるものです。
ちなみに日本では「ビネー・シモン式」を応用した知能検査法として、「鈴木ビネー式」や「田中ビネー式」などが有名です。
そして「ウェクスラー・ベルビュー法」は、非常にポピュラーな知能検査なので、体験した人も多いのではないでしょうか?
日本で行われている「ウェクスラー・ベルビュー法」は、通常「WAIS(ウエイス)=Wechsler Adult Intelligence Scale)」と呼ばれ、
「南博による改訂版」や「児玉&品川によるウェクスラー式尺度」が有名です。
なお、最近では「WAIS」の改訂版の「WAIS−R(ウエイス・アール)」や、
「WAISの子ども版」=「WISC(ウイスク)=Wechsler Intelligence Scale for Children」が用いられています。
フリークさんに、さらに言えば「EQ」に関する記述も、違うのではないでしょうか?
そもそも、EQとは「Emotional Quality:情動指数」ではありません(だいたい「Quality」を「指数」と訳すわけがありませんし…)。
実は、EQの提唱者のダニエル・ゴールマン本人は、「EQ」という単語を、まったく使っていません。
ゴールマンは、著書の中で「Emotional Intelligence(=情動的知能?)」を提唱しています。
「EQ」という単語は、アメリカの雑誌「TIME(1995年10月9日号)」が、
ゴールマンの著書を紹介する際に、作った言葉なのです。
この「マスコミによって作られた言葉=EQ」が爆発的な人気を受けて、
あたかも「EQ」という名の「指数」が存在するかのように世間は思っていますが、
「情動(≒感情)」を指数化して明確に算出する方法は、いまだに「存在しない」と言っても、
あながち間違いではありません(もちろん、試みられているいくつかの検査法はあります)。
ゴールマン自身は「『知能』という、いわば『機械的な頭の良さ』よりも、他人を思いやったりする『感情的な知性』を、
もっと重要視したほうが、人間教育を考える上で良いのでは?」ということを主張したかったのだと思います。
でも、マスコミによって「EQ」という言葉が大々的に取り上げられ、「EQ」という言葉だけが一人歩きし、
あたかも「EQ」という指数が存在するかのように世間から認識されている現状……。
このように、何でもかんでも人間を「指数(=機械的な数字)」で計っていてはダメじゃないの?
と言いたかったゴールマンは、きっと悲しんでいることでしょう。
━━━ びろさんが知能検査の基礎知識的なHPを教えてくださったので掲載しておきます。
http://homepage1.nifty.com/~watawata/psycho/m2.htm
●minさんの回答
びろさんの回答にある
>スタンフォード大学が開発した「ビネー・シモン法」の改訂版に過ぎません。
は、ビネーとシモンが開発した「ビネー・シモン法」の、スタンフォード大学のチームによる改訂版に過ぎません。
と書いた方が分かりやすいかと思います。
また、知能検査には大別して二種類あり、個別式検査と集団式(団体式)検査があります。
このページで説明されているのは主に個別式検査であり、これは精密な測定をしたいときに実施するもので、
各種用具(積み木やカードなど)を使用しながら判定士と一対一で座って検査するものです。
学校などで一斉に行なわれるペーパーテスト形式のものは集団式検査と呼ばれ、
精度はあまり高くないものの大量に安価に行えるというメリットがあります。
一般的には、集団式で低めの数値が出た場合に個別式を行なって精密検査することが多いようです。
多分、数としては集団式を受けたことがある人の方がずっと多いと思います。
━━━ minさんが知能に関するHPを教えてくださったので掲載しておきます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%A5%E8%83%BD(知能)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%A5%E8%83%BD%E6%8C%87%E6%95%B0(知能指数)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%A5%E8%83%BD%E6%A4%9C%E6%9F%BB(知能検査)
(上記ページは「コピー&ペースト」で行って下さい。リンクすると文字化けしたため。)
since 2003/9/25
2004/5/4 poochさんの指摘により「ソースネクスト・ドットコム」さまのIQ診断サービスの終了を確認
2004/5/7 フリークさんの回答追加
2004/5/14 びろさんの回答追加
2004/8/28 minさんの回答追加
2004/8/30 文字化けが起きるため直接リンクを中止