No.079 14歳の誕生日前に事件をおこして誕生日後に逮捕されたら?

ひいらぎさんの疑問
 14歳未満の少年が事件を起こした場合、少年法により保護されます。
 では、14歳の誕生日が12/29だった少年が、12/20に事件を起こし、12/30につかまったらどうなるのでしょう?

フレッシュワーズの回答
 まずは、少年法の第三条を見てください。 

 1
 次に掲げる少年は、これを家庭裁判所の審判に付する。
 1.罪を犯した少年
 2.14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年
 3.次に掲げる事由があつて、その性格又は環境に照して、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をする虞のある少年  イ 保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
 ロ 正当の理由がなく家屋に寄り附かないこと。
 ハ 犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入すること。
 ニ 自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。

 2
 家庭裁判所は、前項第2号に掲げる少年及び同項第3号に掲げる少年で14歳に満たない者については、
 都道府県知事又は児童相談所長から送致を受けたときに限り、これを審判に付することができる。

 ここより、「刑罰法令に触れる行為をした」とは、「事件を起こした日」を表しているので、
 事件日に14歳未満だった場合、少年法の保護により家庭裁判所の審判となります。

 しかし、罪は罪。
 14歳未満でも、それなりの刑罰を受けます。
 13歳未満だと、刑罰は何もありません。これは刑法により刑事能力が無い年齢と定められてるからです。

 ちなみに、少年法は20歳未満まで保護しています。

 ついでに、民法百四十三条(暦による計算)の一項をみてもらいたいです。

 (1)
 週、月又ハ年ノ始ヨリ期間ヲ起算セサ
ルトキハ其期間ハ最後ノ週、
 
月又ハ年ニ於テ其起算日ニ応答スル日ノ前日ヲ以テ満了ス
 但月又ハ年ヲ以テ期間ヲ定メタル場合ニ於テ最後ノ月ニ応答日ナキトキハ其月ノ末日ヲ以テ満了日トス

 さすが、明治29年の法律ですね。わかりづらいったらあらしない(笑)
 とりあえず、赤字の箇所は日本人も以外に知らないし、すごく重要な箇所です。

 わかりやすく訳すと、「誕生日の前日に歳を取る」ということです。
 3行目は「2月29日生まれは、うるう年じゃなかったら2月28日に歳を取る」ということです。

 実際は、この法律は歳だけを表したものではなく、暦の計算の基本を表したものなので、
 上記の訳は「誕生日」の場合に仮定した時の訳です。

 というわけで、民法百四十三条より、12月29日が14歳の誕生日の少年は12月28日に14歳になります。
 ここは要注意ですね。 

since 2003/12/29

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