No.126 ラムネになぜビー玉?

白血球さんの疑問
 よくお祭りとかでラムネを売っていますが、
 なんでラムネの瓶にはビー玉が入っているんでしょうか?
 飲む時に口をつける所にはまってとても邪魔だと思います。
 あと、あの瓶の形にも何か意味があるんでしょうか?
 よろしくお願いします。

フレッシュワーズの回答
 1872年、イギリスのコルク会社に勤めるセールスマン、
 ハイラム・コッド氏が炭酸飲料を密封する容器として、
 現在のラムネ瓶の形を発明しました。

 当時は、レモン風味のソーダ「レモネード」が入れられていて、
 ビー玉ではなく、コルクで栓をしていました。

 幕末に長崎、横浜にラムネが伝来し、
 長崎の藤瀬半兵衛が、慶応元年(1865)に「レモン水」として製造販売しだしたのが最初です。
 しかし、「レモン水」では売れませんでした。
 しばらくして、レモネード(lemonade)が訛って、ラムネと呼ばれるようになりました。
 東京の千葉勝五郎が、明治5年(1872)5月4日に「ラムネ」として製造販売を最初にしました。
 (全国清涼飲料協同組合は、5月4日を「ラムネの日」としています。)

 明治20年頃からコルクではなく、ビー玉で密封するようになりました。

 ビー玉が入ったラムネ瓶に炭酸飲料を入れ、
 炭酸飲料が満タンになる瞬間に、瓶を逆さにすると、
 ビー玉が炭酸ガスの圧力で外に押され、炭酸飲料が密封されます。
 ビー玉は、炭酸飲料を密封するのに画期的な道具なのです。

 瓶にビー玉を入れる方法ですが、
 まずは、普通の瓶の上ほどを熱でくびらせ、ビー玉を入れます。
 ビー玉を入れたあとに、飲み口近くの部分をくびらせます
 (最近のラムネ瓶は、飲み口がプラスチック製のものがあります。
 それの場合、飲み口を熱でくびらせる必要がありません。
 なぜならプラスチック製の飲み口が、ビー玉より小さくつくられているからです。)

 上の文を読み、なぜ飲み口をビー玉より小さくするのだろうと思った人がいるのではないでしょうか。
 飲み口がビー玉より大きいと、炭酸飲料と一緒にビー玉を誤って飲んでしまう可能性があるからです。

 瓶の内部の飲み口近くを見ると、でっぱりがついているのがご存知でしょうか。
 そこにビー玉をひっかけて飲むのが正しい飲み方です。
 ひっかけずに飲むと、飲みづらいですよね。

 さて、明治37年に王冠を用いたサイダーが発売されました。
 中に入っているものは同じでも、
 王冠を用いて密封したのがサイダー、ビー玉を用いて密封したのがラムネと区別されました。

 ちなみに王冠の凸の数は、3の倍数になっています。
 これは、圧力を分散するのに適しているからです。

 ラムネの語源は先に書いた「レモネード」(lemonade)ですが、
 サイダー(cider)の語源は、フランスのリンゴ発酵酒「シードル」(cider)です。

 昭和後期に瓶からペットボトルの時代へと変わりました。
 そして、ラムネ瓶はあまり見られなくなっていきました。

 ラムネ伝来のときの面白い話があります。
 嘉永6年(1853)、ペリー率いる黒船が浦賀に来航しました。
 黒船には「炭酸レモネード」(ラムネ)がつまれていて、
 幕府の役人に飲ませたところ、栓をあけたときに「ポン」と大きな音が鳴り、
 役人は驚いて、こう言ったそうです。

 「新式の鉄砲か」

 そう言いながら、刀に手をかけたそうです。

 ちなみにラムネは夏の季語なので、俳句にも使われます。

 

 余談が多かったですが、疑問に対する回答としては、

 >なんでラムネの瓶にはビー玉が入っているんでしょうか?
 炭酸飲料を内側から密封するためです。
 (炭酸飲料を外側から密封するための道具が「王冠」です)

 >あと、あの瓶の形にも何か意味があるんでしょうか?
 
ビー玉を飲み口から出さないためにくびれた形をしています。

since 2005/3/18

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