No.127 光の三原色はなぜ赤緑青?
●白血球さんの疑問
テレビの画面とかをすごい近距離で見てみると、
光の3原色の赤・緑・青がたくさん並んでいるけど、
なんで光の3原色は赤・緑・青なんでしょうか?
●ナ変さんの回答
ディスプレイから赤・緑・青の光が出ているわけではありません。
というか光には"0x00FF00"とかの情報はありません。
では何故、色を識別できるのか?
答えは光の波長です。
波長を得て、脳がそれを色に置換しているのです。
波長を得る仕組みですが、
網膜にある桿体視細胞と錐体視細胞の内、錐体視細胞の方で波長を識別しています。
人間の場合、その錐体が三種類あり、それぞれが違う波長に反応します。
反応する波長の長い順にL・M・S錐体と呼ばれていて、赤・緑・青に対応しています。
反応する比率から様々な色をイメージ出来るのです。
ここで黄色の場合、L・M錐体が反応するのですが、
逆に言えば、L・M錐体を同じ比率で反応させれば黄色に見えることになります。
つまり、赤・緑を組み合わせることで黄色を再現できることになります。
勿論黄色以外でも可能で、赤・緑・青を組み合わせることで殆どの色を再現できます。
これを利用したものを加法混色といい、赤・緑・青を光の三原色といいます。
さて疑問の答えとしては、「L・M・S錐体それぞれの最も反応する波長の関係から、
赤・緑・青の三色を用いたときが最も多くの色を再現できるから」となります。
より複雑なXYZ等を用いれば、RGBで再現できない色も表現できますが、
ディスプレイで実現しやすいことが大前提にあるのでこうなります。
何故錐体が三種類かというところまで踏み込んでみます。
魚類・両生類・爬虫類・鳥類などは基本的に四種類(赤型・緑型・青型・紫外線型)の錐体を持つのですが、
初期の哺乳類が夜行性であったため、弱い光に敏感な桿体が進化により増加し、
代わりに錐体が退化して二種類(赤型・紫外線型)になってしまいました。
しかし進化により、赤型の一部がM錐体になり現在のL・M・S錐体に至っています。
ヒトの視細胞の内、錐体の占める割合が5%と極端に少ないのは、
夜行性だった頃の名残りだといえます。
更に進化すれば第四の錐体を獲得できるかもしれません。
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